トーマス・バッハIOC会長から大学連携LNWの活動へのメッセージが届きました

2024年2月27日、猪谷千春IOC名誉委員を通じて、トーマス・バッハIOC会長からの特別メッセージが大学連携レガシーネットワークに届きました。

 ※猪谷千春IOC名誉会員
   1982年IOC委員就任、2005年IOC副会長、2012年IOC委員退任、オリンピック・オーダー銀賞受賞
   国内でも、日本オリンピック委員会理事、日本オリンピックアカデミー理事等を歴任。日本のオリンピック・ムーブメント推進に貢献。
   1952年オスロ冬季五輪スキー男子回転11位。
   1956年コルティナダンペッツォ冬季五輪銀メダル(日本史上初の冬季五輪メダリスト)

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<日本語訳>
国際オリンピック委員会(IOC)の創設者であるピエール・ド・クーベルタンにとって、オリンピックは単なるスポーツイベントではありませんでした。1894 年にオリンピックを復活させたとき、彼はそれが世界のすべての国と人々の理解を深める方法であると考えました。 彼自身も教育者だったので、当初からスポーツと教育はオリンピックと結びついていました。クーベルタンは、スポーツとその価値を通じて世界をより良い場所にしたいと考えていました。これは、今日に至るまで、オリンピック・ムーブメントの包括的な使命であり続けています。

この教育的使命を念頭に置いて、IOC は2010 年にユースオリンピック競技大会(YOG)を設立しました。YOGはオリンピックとスポーツプログラムを共有していますが、教育に重点を置いている点で際立っています。YOGは、15歳から18 歳までの若者を対象とした世界的なスポーツ大会で、オリンピックの価値に関心を持ってもらうことに特に焦点を当てています。教育プログラムは、すべてのYOGエディションの中心的な機能であり、参加アスリートにオリンピックの価値について学び、他の文化を探求し、スポーツの真のアンバサダーになるためのスキルを開発し、トレーニング方法とパフォーマンスを向上させる機会を提供するために、さまざまな双方向性のアクティビティ、ワークショップ、チームビルディング演習が含まれています。このように、YOGは、アスリートがキャリアの早い段階でオリンピックを経験するための足がかりを提供し、スポーツだけでなく、責任ある市民としてのアスリートの育成を支援しています。

IOCは、YOGにとどまらず、約130年前にクーベルタンが掲げた教育的使命を、世界中の大学や学校と協力して積極的に推進しています。その中で、オリンピック教育の振興のために重要な役割をされている日本の大学連携レガシーネットワークに心から感謝申し上げます。真田久委員長のリーダーシップの下、加盟大学、日本オリンピックアカデミー、日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会等の方々が若い世代にオリンピックの価値観を伝える重要な役割を担っておられます。

オリンピック教育への皆様のコミットメントは、ピエール・ド・クーベルタンのビジョンが将来の世代の心と精神の中で生き続けることを確実にするでしょう。

国際オリンピック委員会会長 トーマス・バッハ(署名)
(監訳:IOC 名誉委員猪谷千春・訳:師岡文男)